ごまは、言わずと知れたフリスビーやボール命のスポーツバカである。
放牧場に行くと全く休まずに何時間でもフリスビーをやる。暑くなって横タン(口の横から舌が 出ること)になっても辞めない。キャッチする時にフリスビーと一緒に舌の横を噛んで 流血しようが絶対に辞めない。後ろ足が疲れてふらついても、そこにフリスビーがある限り 彼の辞書に終わりと言う文字はないのだ。
心配になって「終わりね!」といってフリスビーを隠すと1・2分はフセて休むものの すぐに立ちあがりわたしの周りを回ったり、手で催促したり、終いにはDona嬢を全速力で 追ったりと『ぼくはこんなに元気だよ〜!!!』アピールを始めるのだ。

それだけ遊ぶということは、それだけ水分も取る。特に暑くなるとDona嬢と二人で1.5g ペットボトルを飲み干す。
走って水を飲んでさらに走ってさらに飲んで走る。筋肉もフル回転、内臓もフル回転!

さてさて、ごまは青空ワンツーが大好きで、インドアワンツーもするのだけど、放牧に行くと 腸内のう○ちを出しきる傾向にある。
2時間弱の放牧中3回はワンツーをする。駐車場から放牧場までに一回。これは腸の栓を抜く といった感じ。2回目は本出し。そして遊んだ後の腸内出しきりワンツー。

これがくせものなのだ!

2回出して腸内に少し残ったう○ちに大量の水が流れこみ、走って飛んでシェイクシェイク!! もちろん♪ブギーな胸騒ぎ〜♪は的中することになる。

ある日走っていたごまが突然もよおし斜面でワンツー体制に入った。下り側に頭を向けているので お尻の長い毛が斜面に沿ってちょうど受け皿のようになる。
「ま・まずい!!!」
そう思って駆け寄ったとき、私は愛息子ごまをどぉーしても放牧場に置いて帰りたい衝動に 駆られた。

なんと、自分の毛のお皿の上にククレカレーそれも甘口がたぁ〜んと乗っている…。
たぁ〜んとだ。

私は泣きそうになりながら、ありったけのティッシュで毛からカレーを拭き取ろうとしたが そんなもん取れるわけがない!わたしの手もカレーまみれ…。(お食事中の方ごめんなさい〜) 帰りは車…。

窮地に陥った私の目に大きくたゆたう相模川が写った。
おもむろに、私はごまを川べりに連れて行き、靴を脱ぎ、ごまの下半身を入水させ、ジャブジャブと洗濯した。

素手に素足にただでさえ汚い相模川の水にカレーが混じったものがまとわりつく…。
私は頭の機能を90%はオフにして、ただ黙々と、ひたすらに黙々と洗濯したのである…。

悪夢を見た私達は、2度と川で洗濯なんてしなくてすむ対策として、
“ごまのおケツ プードル化計画”
を実施した。原っぱに落ちてもわかりやすいようにピンクのゴムを使用した。
プードル中に他の人に会ったとき「あ〜ら! かわいい〜!オシャレしてるのぉ〜」 とたまに言われたが、こんなおしゃれする人がいたら是非会ってみたい。
恥ずかしいけど、背に腹は変えられない…。

あれから1年。ごまは自分なりに学習したようで、放牧前半戦に大量に水を飲み、腸が軽くなる 後半戦には水を控える様になった。
おかげでククレカレー甘口は、最悪でもカルメ焼きの 固まる前レベルのような硬さ、つまりなんとか形を残せる状態へと進化した。

この時期になると思い出す、今となってもいいとは思えない想い出だ。